歯周病を治療していくには時間もかかりますし、症状が進行していれば最悪、治療の甲斐なく歯が抜けてしまうこともあります。
それゆえに歯周病はとにかく予防が大切なのですが、それでも日本人の多くが歯周病になってしまうのが原状です。
では残念ながら歯周病になってしまった場合はどのような治療を行っていくのでしょうか?
これらの治療法について以下に挙げていきます。
※もちろん一口に歯周病といっても原因、症状を悪化させている原因は1人1人異なりますので、歯周病を治療していく前に検査を行い、1人1人に適した治療を行っていく事となります。
当院では2つの方法でお口の中を検査し、より効果的な歯周病治療をお勧めしています。
・位相顕微鏡検査による診断
①位相顕微鏡での菌の確認
②細菌の除去薬剤の内服
③カビの除去薬剤あるいわカビとり歯磨き剤での歯磨き
④除菌後の歯石とり
顕微鏡で見ることで、今現在の菌の状態を確認することができ、歯周病になりやすいかどうか、今はどういう状態になるのか、これからどういう状態になっていくのか分かります。
歯周病菌がいるのか、カビが多いのかを確認し、お薬を選択、必要な治療をしていきます。
・リアルタイムPCR法による歯周病菌のDNA診断
位相顕微鏡では確認できない歯周病の原因菌を検査・診断します。
この検査を行うことにより、数値で歯周病のリスクを知ることができるようになります。
検査キットを用いて検査します。
歯周病は感染症です。
位相顕微鏡診断で歯周病の原因菌を特定すると、内服薬での内科治療が可能です。
日々のお手入れに加えて、原因菌を集中的に除去するお薬で、
効果的で短期間での治療も可能になることがあります。
歯周病の原因菌の内服薬
カビとり除去剤・歯磨き
初期治療開始前
1回の初期治療で、原因菌・カビ菌が減少していることが分かります。
検査1回目
検査2回目 治療開始 1週間後
検査3回目 治療開始 2週間後
検査1回目
検査2回目 治療開始 1週間後
検査3回目 治療開始 4週間後
治療開始 6週間後
歯周病予防、治療共に基本となるのが「プラークコントロール」です。
プラークコントロールとは歯周病の原因である「歯垢(プラーク)=歯周病菌」の増殖を抑えることに重点を置いた予防、治療法で、正しい歯磨きの仕方や歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用してプラークコントロールをする事が歯周病予防、治療の基本なのです。
歯垢(プラーク)は時間が経てば歯磨きでは取り除くことができない歯石になり、歯石は歯周病菌の格好の棲家となるため早めに取り除かなければドンドン歯周病が進行してしまうのです。
また歯周病になってしまえば歯周ポケットが深くなり、歯周ポケットに溜まった歯垢(プラーク)、歯石は歯磨きでは取り除く事が難しくなるため、これまた歯周病の症状が進行していってしまうのです。
そこでこれらの歯石・歯垢(プラーク)を歯医者で除去してもらい、再び付着しづらくしてもらう治療法が「スケーリング&ルートプレーニング」で、歯磨きでは取り除けない歯石はもちろん、取り除けていない歯垢(プラーク)を歯医者で除去することによって炎症が収まっていき、歯周ポケットの深さも浅くなりますので歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できるのです。
詰め物、被せ物の不適合があれば歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯磨きで除去する事が難しくなるため、詰め物、被せ物が合っているか?をチャックし、これらが合っていなければ修正する治療が行われます。
詰め物、被せ物が適合するようになるだけで歯垢(プラーク)が付着しづらくなり、また付着した歯垢(プラーク)を取り除きやすくなるため歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できるのです。
歯周病は「歯垢(プラーク)=歯周病菌=細菌の塊」に感染する病気なので、薬(抗生物質)を服用したり、直接、歯垢(プラーク)が溜まっている歯周ポケット内に挿入して増殖した細菌を減少させていく治療も同時に行われます。
歯周病は感染症です。病気、睡眠不足、ストレスを感じているときなど抵抗力が落ちているときは「細菌=歯周病菌」に感染しやすくなりますので、十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消は歯周病を治療していくうえでも欠かせないのです。また歯周病と関係の深い「糖尿病」にならないような食事、よく噛んで食べるなど食生活を見直す事も必要なのです。
「YM療法」とは、歯茎にたまった膿 (毒素) を無麻酔にて取り出すことにより、白血球中の顆粒球とリンパ球のバランスを正常値に近づけ、自己免疫力を向上させることを目的とした治療法です。
従来歯周病の治療は、歯石を除去し、歯ぐきのマッサージ(歯磨き、ブラッシング)を行うことが中心でした。
しかし、歯磨きだけで改善される病態は、初期の歯周病に限られることが多く、進行した歯周病に対しては十分な治療効果を発揮することが出来ませんでした。膿 (毒素) がたまるなどしている状態では、歯磨きを行っても症状はなかなか良くなりません。
そこでYM療法が適応となります。
歯周病の方はもとより、歯を磨くと出血する方、あるいは風邪を引いたり、疲れて体調がすぐれない時、歯ぐきが腫れたり、歯が浮いた感じになる方はYM療法の適応となります。定期的に受けてください。
YM療法は、YMAssociationにより認定された歯科医師のいる歯科医院のみに許可された治療方法です。